- 著者
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栗田 浩樹
大井川 秀聡
竹田 理々子
中島 弘之
吉川 信一郎
大塚 宗廣
岡田 大輔
鈴木 海馬
佐藤 大樹
柳川 太郎
- 出版者
- The Japanese Congress of Neurological Surgeons
- 雑誌
- 脳神経外科ジャーナル = Japanese journal of neurosurgery (ISSN:0917950X)
- 巻号頁・発行日
- vol.21, no.11, pp.842-847, 2012-11-20
- 参考文献数
- 15
- 被引用文献数
-
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Orbitozygomatic approachはpterional approachの応用で, より外側下方から頭蓋内高位を見上げる手法である. 本稿では, われわれが施行している基本手技 (1-piece method) について解説し, 脳血管外科領域における本法の臨床応用について検討したので報告する. 過去2年間に施行された脳血管外科手術290例 (脳動脈瘤直達術251, 脳動静脈奇形 [AVM] 摘出術39) のうち, 本法が適応されたのは7例 (2.4%) であった. 内訳はcoil塞栓術が困難と判断されたBA-tip AN 4例, 高位BA-SCA AN 2例と, 大型の左medial temporal AVM症例であり, 術後は全例で病変の消失が確認され, morbidityは1例にとどまった. Intravascular treatmentが普及した現在, 脳血管領域では使用頻度こそ少ないが, 広いsurgical corridorが得られる本法は, 高難易度病変に対して必要不可欠なapproachである.