- 著者
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泰羅 雅登
- 出版者
- 日本顎口腔機能学会
- 雑誌
- 日本顎口腔機能学会雑誌 (ISSN:13409085)
- 巻号頁・発行日
- vol.9, no.2, pp.153-165, 2003-04-25
- 被引用文献数
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脳の高次機能に関わる神経メカニズムを明らかにしようとする研究者にとって,人間の脳活動を実際に目で見ることは夢であった.1980年に北欧のRolandのグループが局所脳血涙を計測して人間の脳活動を可視化し,その後のPETでの研究に発展したが,放射性同位元素を扱うため研究は一部のグループに限られていた.しかし,90年代にMRIによる人間の脳機能イメージング(fMRI)が開発され研究が大きく進展した.fMRIによるイメージングの研究は比較的手軽である反面,考慮しなければいけない点も多い.本稿では,fMRIの手法について簡単に述べたあと,我々の研究室でのパイロットスタディのデータをもとに,歯科領域への応用について考察する.