著者
忠 章
出版者
日本計算機統計学会
雑誌
計算機統計学
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.135-145, 1995
被引用文献数
1

スペクトル解析はランダム現象,特に乱流現象を解明する上で重要な手段である.本研究では,長さの非常に短いデータに対するB-T法(Blackman-Tukey,自己相関関数のフーリエ変換によってパワースペクトルを求める方法),DFT法(Discrete Fourier Transfom,有限離散データのフーリエ成分から,直接パワースペクトルを求める方法)およびMEM (Maximum Entropy Method, Burgのアルゴリズムによってパワースペクトルを求める方法)によるスペクトルを,パワースペクトルの明らかな5種類の典型的なランダム信号を用いて比較検討した.その結果,MEMはDFT法とB-T法と比べて優れたスペクトル分解能を持っており,短いデータからでも高分解能,良好な精度の推定ができる,しかしこの場合,観測データに適合するかどうかという問題が存在している.これは多数標本のアンサンブル平均パワースペクトルを求め,標本毎に最適な項数を使用することにより改善することができる.

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