著者
藤原 知
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, 2005-03-01

1960年代になって、キムボンハン教授らによって提唱されたいわゆる「ボンハン学説」は、第1に血管リンパ管系とは明確に区別される「経絡系統」という第3の循環系が解剖学的実体として存在し、それはデオキシリボ核酸(DNA)を多量に含む"ボンハン液"を循行せしめていること、第2に「経絡系統」において細胞の新生と死滅のプロセスが"ボンハンサンアルー細胞環"の形式で営まれ、在来の細胞分裂による細胞の新生というプロセスも"ボンハンサンアルー細胞環"の一部としてそれに含まれていると示説した。 こうして、この学説は鍼灸領野での「経穴」「経絡」の解剖学的実体の解明に成功したと云うに留まらず、生物学、医学における原則的な諸命題の再検討を迫る画期的なものであった。しかし内外のアカデミズムはこの学説を黙殺し続けて時は流れ、1967年になってはじめて部分的ではあるがこの学説を支持する追試的報告が私自身によってなされることになった。 皮膚上の「経穴」に対応する"表層ボンハン小体"の解剖学的実体の検出を含む私の追試的報告が、40年に近い眠りの時を経てようやく、韓国の研究者の手によって覚醒させられたのは2000年代初めのことである。 韓国の地に"ルネッサンス"された「ボンハン学説」は今新生の時を迎えつつあり、すでにして"内外内外ボンハン管系統"については一定の成果を挙げるに到っている。 しかしながら、追試的研究の進展の"端緒"となり得る「経穴」の実体である"表層ボンハン小体"の追試的確認、それも普遍性における確認には成功していない。 それゆえに、普遍性において誰でもが何処でも検出しうる最良の方法の早急なる確立が求められていると私は認識する。最良の方法を手にして、やがて始まるのであろう「ボンハン学説」の全面的な追試的展開を私は夢見る。「ボンハン学説」研究には未来があると述べて、追試者への私のメッセージとしたいのである。

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わが業界で有名なのはこれ。ボンハン小体。 http://t.co/dMlCdA1Now

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