著者
松岡 正浩
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.49, no.8, pp.643-649, 1994-08-05
参考文献数
36

電磁場に関する不確定性関係の一つとして,光子数と位相の関係Δ_nΔφ≧1/2がよく知られ,かつ用いられてきた.しかし一方,その根拠となる電磁場の位相の演算子φ^^^のエルミート性が成り立たたないことも知られていた.また,最近の光のスクイーズド状態の発生や量子干渉,観測問題などの研究では,少数光子状態の位相が問題にされるようになってきた.しかし,その領域ではexp[±iφ^^^]のユニタリー性からのずれが大きくなる.これらの困難は光子数スペクトルに下限があるために生じる.最近,PeggとBarnettは新しいエルミート位相演算子を提案した.その根拠に関して議論もある中,すでにこれを用いた多くの応用計算が行われている.そこで,新しいPeggとBarnettの演算子を中心に,位相演算子の問題について解説する.

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