著者
村井 忠之 祖父江 義明
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.35, no.11, pp.886-895, 1980-11-05

銀河系の回りを大・小マジェラン雲という双子の小銀河が公転している. 公転しながら二つのマジェラン雲は中性水素ガスの長い尾(マジェラニック・ストリーム)を引きずっている. 銀河系の強い重力摂動に耐えて, この双子銀河がはなればなれにならず生きのてきたのはなぜだろうか. 観測される両雲の運動データをもとに, 銀河系と大・小マジェラン雲の三体問題とダイナミックスを考慮し, さらにマジェラニック・ストリームを再現するような数値シミュレーションを通して, 過去100億年にわたるマジェラン雲の軌道を推定する. このダイナミックスは, 銀河系をとりまく巨大質量ハロー(光学的に見える銀河のまわりを球状にとりまく暗黒の物質で, 普通に考えられている銀河の質量より一桁大きい)の存否, 宇宙のミッシング・マス(missing mass; 観測にどうしてもかからないが, 確かにある筈の謎の質量)の問題に鍵を与えてくれるかも知れない.

言及状況

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銀河とマゼラン雲の間に恒星は数が少いですが存在します。なので不思議ではありません。 また惑星は見つかっていませんがあっても不思議ではありませんし、単独の自分で光らない惑星のような天体(恒星の周囲を回らないので惑星とは言いにくいので一般には矮星です)も存在する可能性は高いです。 これらの天体は、銀河系周囲の矮小銀河から迷いだした天体や、銀河とマゼラン雲を結ぶマジェラニックストリームというガス ...

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こんな論文どうですか? 銀河系とマジェラン雲の潮汐相互作用(<名古屋支部特集>)(村井忠之ほか),1980 http://id.CiNii.jp/Iro0L

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