著者
右衛門佐 重雄
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.39, no.11, pp.809-817, 1984-11-05

筋収縮の分子機構を説明するため提案された α-へリックスにおけるダヴィドフ (Davydov) ソリトンについて, その内容と問題点を解説し, この理論の難点を救うものとして, α-ヘリックスの中に戸田格子ソリトンを導入し, 筋収縮の動的過程に合理的な推論を与え, 非線形波動方程式の初期値問題と関連して, 理論のパラメターを決定し, 分子に発生する張力や収縮率を表わすソリトンの振幅に数値的評価を与える. 一方, DNA の開いた構造に理論的説明を与えるため DNA 2重らせんの塩基がヘリックス軸に垂直な水平面内で回転するという単純化したモデル系について幾つかの興味あるサイン・ゴードン (Sine-Gordon) ソリトンのモードが見出されることを示し, DNA 中の平均のソリトン数密度を温度の関数として評価し, 実験結果との比較を行う.

言及状況

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編集者: Deer hunter
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