著者
富田 和久
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.99-118, 1985-02-05
被引用文献数
1

分子カオスを背景に熱力学が形成されたように, 巨視的カオスに基づいて柔かい現象論 (情報力学) が期待されることから出発する. 次に, 巨視的カオスと分子力オスの間に存在する, 力学的な類似性, また本質的差異をやや詳しく辿った後, カオスは例外的特殊現象ではなく, むしろ一般的・基本的な現象であることに注意する. 最後に, 生物のような柔かい系を扱う新たな視点が求められている現時点において, 巨視的カオス の概念こそ, 物理学を広くする鍵であることを指摘し, 関連する事項にふれる.

言及状況

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佐々さんのブログに紹介されていた冨田和久先生の「物理とともに30年」 http://t.co/IB8pV9XM 哲学の本にも紹介された学会誌の記事「カオスの意義」http://t.co/gvOl7srq と重複は多々あるがその先史が興味深い。 

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