著者
冨田 誠
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.46, no.11, pp.927-933, 1991-11-05
被引用文献数
7

乱れた媒質中において電子波が持つ量子的コヒーレンスは, 電子のアンダーソン局在やコンダクタンス揺らぎを引き起こす. 最近, この電子の振舞に厳密に対応のつく現象が光の領域で明らかにされつつある. 光のアンダーソン局在を実現させる可能性が追求されるとともに, スペックルとして知られている光の揺らぎと電子系でのコンダクタンス揺らぎとの間の高い類似性も認識される様になってきた. 超短時間パルスの発生など光独自の実験手法を生かしたアプローチは, 電子を初めとするランダム系での波動の輸送現象の解明にむけて新しい展開を促すかもしれない.

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