著者
中村 勝弘 馬 駿
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.233-242, 2001-04-05
参考文献数
24

ケルヴィン卿の歴史的講演に初登場した古典ビリアードから,ナノテクノロジーにより出現した量子ビリアードの最前線までを簡単にレヴューする.考察の主な対象は,ビリアード壁との衝突を繰り返す電子のカオス運動である.ニュートンカ学に従う粒子と異なり,電子は干渉,回折などの量子効果を示す.その結果現れてくるカオスの量子論的兆候を量子カオスと呼ぶ.ここでは,電子のドブロイ波長がビリアードの特徴的長さ(サブミクロンスケール)より十分小さい場合,つまり,半古典領域の電子の量子カオスを取り上げる.本稿では非線形動力学,統計力学との関係で将来性のある問題(軌道分岐,周期倍加現象,アーノルド拡散とそれらの半古典理論)をわかりやすく解説する.最後に,量子カオスの将来(未来?)に言及する.

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こんな論文どうですか? 量子カオスとビリアード(中村 勝弘ほか),2001 http://t.co/cQTPSchIRF ケルヴィン卿の歴史的講演に初登場した古典…
こんな論文どうですか? 量子カオスとビリアード(中村勝弘ほか),2001 http://id.CiNii.jp/IsfuL ケルヴィン卿の歴史的講演に初登場した古典ビ…

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