著者
太田 博孝 福島 峰子 真木 正博
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.525-529, 1989-05-01
被引用文献数
4

排卵障害に有効な漢方薬における卵巣直接作用のうち, とくにアロマターゼへの影響をラット卵胞を用いて検討した。卵胞はPMSG処理未熟雌ラットから分離した。また卵胞のアロマターゼ活性を阻害する目的で4-hydroxy-4-androstene-3, 17-dione (4-OHA ; 10^<-5>M) を用いた。各卵胞は培養液中で種への濃度 (10〜500μg) の当帰芍薬散, 桂枝茯苓丸, 温経湯, あるいはその生薬成分を加え, 24時間器官培養した。培養液中に4-OHA (10^<-5>M) を添加すると培養液中estradiol (E_2) 分泌量は対照群の38% (p<0.05) まで低下した。同時に上記漢方薬を添加すると, 100, 500μgの量でいずれもE_2分泌を有意に増加させた。このE_2分泌刺激作用がこれら漢方薬の構成生薬のいずれの作用によるかを知るため, シャクヤク, センキュウ, トウキ, ボタンビ, ケイヒにつき検討した。その結果シャクヤクのみがE_2分泌刺激作用を示した。シャクヤクはこれら3種の薬剤に共通に含まれる唯一の生薬であることを考えるときわめて典味深い。

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こんな論文どうですか? ラット卵胞アロマターゼ活性に対する芍薬の刺激作用(太田 博孝ほか),1989 http://id.CiNii.jp/IzSvL
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