- 著者
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塚原 嘉治
塩沢 久要
塚本 隆是
曽根原 衛雄
野口 浩
冨田 和彦
小谷 俊郎
岩井 正二
- 出版者
- 社団法人日本産科婦人科学会
- 雑誌
- 日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
- 巻号頁・発行日
- vol.27, no.11, pp.1213-1222, 1975-11-01
1,000Rの試験照射後根治手術により剔出された111例の手術材料からの感受度判定と,同時に行ない得た64例の照射7日後の生検による感受度判定との比較を行なつた.そして局所的生検による感受度判定は実用に耐えうるものであるとの結論を得た.以下今回の研究のまとめを列記する.(1) 放射線感受性(radiosensitivity)は照射前より腫瘍細胞自体に内在するものであり,放射線感受度(radiosensitiveness)は変化した腫瘍細胞にhost側の反応が加わつた複雑な変化である.(2) 感受度判定で生検と剔出物とで85%の一致をみた.(3) 剔出例よりみた感受度良好所見は,(a)癌巣内好中球浸潤,(b)癌巣融解,(c)癌巣基底部破壊,(d)癌浸潤先進部障害,(e)chromatin障害であり,不良所見は(f)mitosis,(g)viable cellに富むことなどである.(4) 癌巣内で多彩な組織像を示し,場所により感受度を異にする場合,生検との不一致の原因となる.(5) 照射前の組織型で中間型に感受度良好のものが多いが,中間型でも問題とすべき組織像を混在するものは不良例が多い.(6) 剔出物において感受度の点数表示が可能である.