著者
永田 行博 中村 元一 楠田 雅彦
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.34, no.9, pp.1496-1502, 1982-09-01
被引用文献数
2

子宮内膜症で開腹した症例に新しい子宮内膜症の分類法(American Fertility Society Classification of Endometriosis,AFS分類)を適用し,合理的な分類法であるか否かを検討し次の結果を得た.1.AFS分類は点数制であるため比較的客観的に評点でき,しかも簡単に分類できる.2.AFS分類による結果をAcosta et al.の分類のそれと比較すると,AFS分類でModerateと分類されたものがAcosta et al.の分類ではSevereと分類されるものが多かった。このような相違は卵巣にのみ病巣が存在するときに起った。3.卵巣に病巣が存在すると妊孕率は低下し,さらに直径3cm以上のチョコレート嚢胞があると著しく低下した.4.保存的手術後の妊娠率,妊孕率はAcosta et al.の分類ではその進行度とよく相関したが,AFS分類でははっきりした傾向が得られなかった.以上の結果から子宮内膜症の臨床進行期分類法としてのAFS分類の妥当性をさらに検討する必要がある。

言及状況

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こんな論文どうですか? 子宮内膜症の臨床進行期分類に関する検討(永田行博ほか),1982 http://id.CiNii.jp/JLiUL

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