著者
高山 倫明
出版者
日本語学会
雑誌
國語學 (ISSN:04913337)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.16-29, 2003-07-01

母語の発音の省察,それも一般に書記に反映しないアクセントのようなものへの反省は,異言語との接触に始まるのがつねであろう。日本語のアクセントに対する自覚も,字音の声調との出会いを契機としているだろうし,またその声調も,仏典の転読等を通じ,梵語に照らして観察されたと言われている。以後,日本語のアクセントは専ら平・上・去声といった字音声調の枠組みで把握され記述されたが,その枠組みは遡れば漢訳仏典の梵語音訳で長短の標示に与るものでもあった。本稿では,漢訳仏典の強い影響下に成った日本書紀の歌謡・訓注の音仮名と,日本語のアクセントの関連を探り,一部の音仮名にアクセントの反映が考えられること,また朧気ながらも母音の長短を掬い取っている可能性のあることを指摘した。

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