著者
太田 一徳 原田 浩幸 中嶋 重旗 田中 一彦
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.141-146, 1992-03-05
被引用文献数
6 1

市販のイオンクロマトグラフィー(IC)用陰イオン交換体より大きな交換容量を有するはん用のイオン交換体(シリカ系強塩基性陰イオン交換体)と大きな溶出力を有する芳香族トリカルポン酸(トリメリト酸)系溶離液の組み合わせから成る無機陰イオンの導電率検出ICを開発し, 酸性雨に関連する実際試料に対して適用した.その結果, 1.25mMトリメリト酸溶離液(pH 4.65)と内径4.6mm, 長さ100mmの分離カラムを用いることにより8種の陰イオン(PO_4^<3->, Cl^-, NO_2^-, NO_3^-, I^-, SO_4^<2->, SCN^-及びS_2O_3^<2->)を25分以内で良好に分離, 導電率を検出することが可能であった.最適IC条件下の検量線は, 一価陰イオンにおいて, 0.3mMまで, 二価陰イオンにおいて0.2mMまで各々直線であり, これらの検出限界(S/N=3)は, 10ng/mlオーダー(Cl^- 10ng/ml, NO_3^- 25ng/ml及びSO_4^<2-> 28ng/ml)であった.本法を酸性雨及び酸性雨による土壌(黒ぼく土及び赤ぼく土)溶出(抽出)水中の無機陰イオン分析に適用したところ, その中に含まれるCl^-, NO_3^-及びSO_4^<2->を良好に分離定量することが可能であった.その結果, 土壌のSO_4^<2->吸着量は, 雨水中の全陰イオン濃度及びpHに依存することが明らかとなった.

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こんな論文どうですか? シリカ系陰イオン交換体とトリメリト酸溶離液を用いる雨水及び土壌溶出水中の陰イオンの導電率検出イオンクロマトグラフィー(太田一徳ほか),1992 http://id.CiNii.jp/MMFJL

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