著者
武山 主郎^[○!R] 細谷 稔
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.80-84, 1984-02-05
被引用文献数
15 9

高純度鉄をはじめ各種金属中の微量ケイ素を簡便に定量するため,強硫酸酸性とした試料溶液にフッ化水素酸を加えてケイ素をフッ化ケイ素とし,加熱することなく酸素を送入して試料溶液から分離し,ホウ酸溶液に吸収させた後モリブデソ青吸光光度法によって定量する方法を検討した.試料液量に対し1.6倍以上の硫酸を加えることにより,定量的にフッ化ケイ素が発生することを確かめた.又生成したフッ化ケイ素を完全に吸収液中に移行させるためには,1000 ml/minの酸素流量で20分間通気する必要があった.本法を高純度鉄,多量のヒ素を含むガリウム-ヒ素半導体やその他の金偶中の微量ケイ素の定量に応用して良好な結果を得た.本法によるケイ素含有量0.0006%の鉄試料についての相対標準偏差は6.4%であった.又分析所要時間は(40〜45)分間で他の方法に比べて迅速に定量できた.

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