- 著者
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市場 みすず
金沢 一
清水 昶幸
幸保 美枝子
千賀 慶太郎
田村 善藏
- 出版者
- 公益社団法人日本分析化学会
- 雑誌
- 分析化学 (ISSN:05251931)
- 巻号頁・発行日
- vol.35, no.3, pp.157-160, 1986-03-05
調剤室における落下及び浮遊粉じん中の薬物を光学,蛍光及び偏光顕微鏡を用いて非破壊的に同定することを試みた.粉じん捕集は1985年2月5日(火曜日)午前9時から午後5時まで行った.落下粉じんは,床上120cmに設置したメンブランフィルター上に捕集し,浮遊粉じんは,床上150cmにメンブランフィルターを装着したホルダーを設置して,550mmHgで吸引捕集した.捕集した粉じん(落下粉じん:0.36mg,浮遊粉じん:1.34mg)は,それぞれ光学,蛍光及び偏光顕微鏡の順に観察し,粒子の形状や色調などを別途に作成した標準標本と比較対照した.その結果粉じんから,中枢神経系用薬3種(アレビアチン,ネオフィリン,フェノバール),消化器官用薬3種(M.M.,S.M散,ペクシー),ビタミン剤2種(ハイボン,メチコバール)及び賦形剤3種(CMC,トウモロコシデンプン,バレイショデンプン)の計11種の薬物を同定することができた.賦形剤を除くすべての薬物は,化学イオン化質量分析において,標準標本に合致する分子イオン又はフラグメントピークが観測された.