- 著者
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嵯峨山 積
- 出版者
- 日本地質学会
- 雑誌
- 地質學雜誌 (ISSN:00167630)
- 巻号頁・発行日
- vol.109, no.6, pp.310-323, 2003-06-15
- 参考文献数
- 49
- 被引用文献数
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3
5
北海道北部の遠別町ルベシュベ川,幌延町上ヌカナン川および天塩町男能富の西方域の遠別層・声問層と勇知層から採取した31試料について珪藻化石分析を行った結果,Thalassiosira oestrupii帯とNeodenticula koizumii-Neodenticula kamtschatica帯の連続する2つの化石帯を認識した.これら化石帯の存在とF・T年代値(3.8±0.4Ma),シルト岩から細粒砂岩へと漸移する層相変化,大きな地質構造の差異は認められないことから,秋葉ほか(2000)が示唆した遠別層・声問層と勇知層間の100万年という大きな時間間隙は本調査域では存在しないという結論に達した.勇知層におけるより上位の地層からの淡水棲種と中新世絶滅種の増加は,堆積盆の浅海化と陸域からの堆積物供給量が増加したことを示唆している.