- 著者
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大立目 謙一郎
- 出版者
- 日本地質学会
- 雑誌
- 地質學雜誌 (ISSN:00167630)
- 巻号頁・発行日
- vol.49, no.586, pp.285-287, 1942-07-20
筆者の手元に石狩炭田の石狩統から産出した多數のカハニナ屬化石がある。其等をMelanodes(Semisulcos-pira) fiscina(YOK.,)として記載した。其等の産地は次の如くである。1)石狩國空知郡蘆別町, 上部蜆介層(高尾彰平氏採集) 2)同上, 赤平村, 赤間ノ澤, 下部蜆介層(角岡蘇一郎氏採集) 3)同上, 砂川町, 歌志内川樋口ノ澤, 上部蜆介層(下河原壽男氏採集) 圖版に示した如く, 高さ最高22粍, 最低7粍であり, 外形, 模様等に若干の変化を伴ふ。殼口の性質は正にカハニナに屬する。唯成長したものに於ては丈が高く細つそりし, ヌノメカハニナの形態を呈する。雨龍炭田産Thiara fiscina YOKOYAMA, 1932 は原圖版に於いては不完全な小さい標本のやうに思はれるので, 鈴木好一學士に原標本を觀て頂いた處Semisulcospiraとのことである。惟ふに兩龍炭田産のものは爰に紹介するものヽ幼殼であらう。ヌノメカハニナMelanoidesとカハニナSemisulcospiraとの殼での區別は極端なもの以外は, 特に化石として産出する場合殼口が良く保存されてゐない限り困難なことが多からう。爰には便宜上SemisulcospirをMelanoides s.,l.,亞屬として取扱って置く。