- 著者
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小村 弘
河原 亥一郎
茂本 友貴枝
松田 健一
阿野 理恵子
村山 洋子
森脇 俊哉
吉田 長弘
- 出版者
- 公益社団法人日本薬学会
- 雑誌
- 藥學雜誌 = Journal of the Pharmaceutical Society of Japan (ISSN:00316903)
- 巻号頁・発行日
- vol.125, no.1, pp.121-130, 2005-01-01
- 参考文献数
- 27
- 被引用文献数
-
2
5
経口吸収性は生体内利用率に影響する重要なファクターの1つであり, ヒトでの低い吸収率さらにはその個体間の大きなバラツキは, 開発候補品のディベロッパビリティーを大きく低下させる. 近年コンビナトリアルケミストリー及びハイスループットスクリーニング(HTS)の導入は幅広い生物学的ターゲットに対して効率的にリード化合物の創出を可能にしてきたが, リード化合物の経口吸収性を初め体内動態に関わる物性を悪化させた. したがって, 創薬において吸収性に優れた開発候補品を創製するためにはリード化合物の最適化が必要となる. 吸収性は主に水に対する溶解性と膜透過性が大きく関わっており, これらのスクリーニング系が開発されてきた.近年その処理能力を上げるため, より簡便な比濁分析法や溶液沈殿法を用いた溶解性試験, さらにはCaco-2細胞の短期間培養法, N in one 及び96 well formatを用いた透過性試験系が採用されている.