著者
高村 斉治 松中 昭一
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.46-51, 1972-09-30

除草剤U-18は,ヒル反応,呼吸,およびジベレリン誘起α-アミラーゼ生成に影響せず,クロロシスによってタイヌビエを枯死させる。新葉分化の停止が殺草の要因である可能性もあるが,現在の段階では決定的ではない。 U-18がクロロシスを発生させる機構としては,タイヌビエのプロプラスチドの形成阻害への影響は小さく,クロロフィルの生合成をも含めてその後の葉緑体への生長を阻害するためと考えられる。U-18によるクロロフィル分解促進はみとめられなかった。水稲においては,毎目薬液を交換してU-18処理を続けても,葉令が進むにつれてクロロシスの程度が軽くなり,第4葉以後ではほとんどみとめられないので,この時期に何らかの質的内部変化が対応していると考えられる。

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