著者
菅原 仁 坂口 光晴
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.253-257, 2005-06-20
被引用文献数
1

疼痛に対する理学療法として, 現在, 物理療法, 徒手療法, 運動療法等が実施されるが, 脊椎に対しては, 物理療法である牽引療法を選択することが多い。2001年の日本整形外科学会理学診療委員会による「骨関節疾患に対する保存療法(理学療法, 作業療法, 物理療法)の実態調査報告」の腰痛に対する保存療法の適応, 処方方針では, 神経症状のある腰痛に対して牽引療法が第1位に挙げられており, 神経症状のない場合でも, 温熱療法に次ぎ第2位として牽引療法を挙げている。さらに, 牽引療法は運動療法よりも適応, 処方方針として優先されている。一方, 諸外国での腰痛に対する牽引療法の使用状況をみると, 国際調査では, 急性期に3%, 慢性期に4%, 坐骨神経痛を伴った急性期に12%使用されている。また, アメリカでは坐骨神経痛を伴う急性期に19%, 慢性期に10%, イギリスとアイルランドでは7.1%使用されている。さらに牽引療法に否定的な見解を示した米国連邦政府厚生省ヘルスケア政策, 研究局による急性腰痛ガイドラインが提出されてからのカナダの調査では, 急性期の腰痛に4.5%, 亜急性の腰痛に30.7%, 坐骨神経痛を伴った急性期の腰痛に30.0%, 牽引療法が実施されている。

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