著者
中村 幸子
出版者
美術科教育学会
雑誌
美術教育学 : 美術科教育学会誌 (ISSN:0917771X)
巻号頁・発行日
no.27, pp.279-291, 2006-03-31

本考察は,百武兼行(1842-1884)のパリでの絵画研究を明確に示すことを目的としたものである。そこで,時期は異なるが百武と同じくレオン・ボナ(Leon BONNAT,1833-1922)に学んだ五姓田義松(1855-1915)を取り上げた。考察の結果,百武の絵画研究は,ボナとの出会いによって人物習作を中心に展開され,その内容は充実したものとなった。百武にとってのパリ留学は,後に滞在することとなるローマにおける積極的な制作へとつながったといえる。

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