著者
井田 大輔
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.238-244, 2007-04-05
被引用文献数
1

膜宇宙と呼ばれる時空モデルの出現とともに,プランクスケールよりずっと大きな余剰次元の存在可能性が指摘された.そのような巨視的な余剰次元をもつ時空においては,古典論的な高次元ブラックホールが登場人物として現れる.ブラックホールを通して,高次元の時空の理論のさまざまな側面が見えてくるであろう.しかし一方では,ブラックホールは時空の次元によってずいぶん性質が異なることがしだいに認識されるようになつた.このような高次元時空のブラックホールに関する最近の研究とその周辺の話題を紹介する.

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