著者
矢野 明
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.261-264, 1973-10-25
被引用文献数
2

傾斜地を耕起して牧草を播いた場合,種子の発芽および定着が,しばしば不揃いとなる。この原因を調べる目的で,イタリアンライグラスを用いて実験を行ない,次の結果を得た。(1)種子の発芽率が80%を越える時の吸水率は,有〓種子で79%,脱〓種子で74%であった。(温度25℃)(2)日中の最高気温が30℃の時に播種したら,地表の湿度が約90%であれば正常に発芽したが,60%〜70%の湿度では発芽がきわめて悪かった。(3)土塊の直径が5mmより小さい時は,土壌水分が多い時に限り,地表で発芽することができた。(4)土塊の直径が10mm〜20mmであれば,種子が土塊の間隙内に入るので,土壌水分が少なくても,発芽できることを認めた。

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