著者
Borneff-Lipp Marianne
出版者
一般社団法人日本医療機器学会
雑誌
医療機器学 (ISSN:18824978)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.27-34, 2008
被引用文献数
2

本稿は,ドイツハレ市(Halle)に位置する大規模な大学病院の中央滅菌調度部門(Central Sterile Supply Department,以降CSSD)における,手術器材の再処理に関する品質管理に焦点をあてた報告である.本大学病院は2004年に新築され稼動開始したもので,病床は1,100床である.手術室,病棟や外来で使用される全ての器材が再処理されるこのCSSDは,ヨーロッパで最大かつ最新の施設の一つである.このCSSDは2006年12月にDIN EN ISO9001:2000とDIN EN ISO 13485:2003の認証を取得したが,これは全てのサブユニットを含む完全な状態での大学病院のCSSDとしての認証であり,ドイツで初めてである.CSSDには,ウォッシャー・ディスインフェクター,内視鏡洗浄消毒器,トンネル型ウォッシャー,蒸気滅菌器と,低温プラズマ滅菌器が設置されている.2台のステラッド[○!R]200低温プラズマ滅菌器は,高価で熱により影響を受けやすい器材を滅菌するために導入された.ハレ大学衛生研究所の科学研究チームは,10年以上にわたりステラッド[○!R]低温プラズマ滅菌器全機種の微生物的効力を試験: 研究してきた.この研究は,ANSI,AAMI,ISO14937の指針に従って実施された.試験を実施した全ての事例において滅菌保証レベル(SAL,10^<-6>)が達成されていた.このように,全ての機種が要求を満たしていることが証明された.さらた,新しい技術を用いたステラッド[○!R]NXは,より短い滅菌時聞で,細く長い管腔内を持つより滅菌が難しい器材の滅菌処理が可能であるという利点を示した.実使用条件下でのさまざまな適用においては,低温プラズマ滅菌器は,熱により影響を受けやすい器材の早い回転が求められる臨床や外来の現場に対しての最新の解決策であると考えられる.

言及状況

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