- 著者
-
文 皓琳
- 出版者
- 日本デザイン学会
- 雑誌
- デザイン学研究 (ISSN:09108173)
- 巻号頁・発行日
- vol.55, no.2, pp.55-64, 2008-07-31
本研究は,ユニバーサルデザインの観点から「障害者」の言葉に対するイメージに関して,日本における「障害者」という用語が使われた歴史的背景を調査し,文献調査とインターネット検索を通じて日本と韓国で障害者に対する表記の例を調査した。次に,アンケート調査を通して,日本人と韓国人にとって「障害者」の字に対するイメージを分析した。その結果,日本では「害」の字に対する悪いイメージがあることにより,障害者に対する表記が多様であった。韓国の場合は,障害者を「障碍人」で表記し,「障害者」の言葉に対する抵抗感が強く,その表記は日本のようには多くなかった。また,「障害者」の字に対する悪いイメージ及び抵抗感は日本人と韓国人に認識の差があることが分かった。日本人の47%の人が「障害者」の字に悪いイメージがあると答えたが,「障害」と「障碍」を使う韓国人の場合は92%であった。「害」の語句に対する意識は,両国においては大きな差がみられることが理解できる。