著者
関本 謙
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.63, no.10, pp.791-796, 2008-10-05

ミクロの力学とマクロの熱力学の中間にはさまざまな時空尺度の現象がある.それらは決定的には扱えないゆらぎを伴っており力学的な側面と熱力学的な側面をあわせもつ.端的には熱がランダムな運動としてみえる.熱力学的な側面に関しては線形応答理論・搖動散逸定理がゆらぎの統計性を平均的応答に関連づけたが,力学的な立場で個々のゆらぎ過程を系のエネルギー収支に関連づける枠組がゆらぎのエネルギー論である.本解説ではその出発点となる考えを説明した後で,それから導かれるゆらぐ世界特有の現象-熱力学構造,熱の移送,準静的な操作の限界,熱の局所性と移動など-について述べる.最後に今後の展望を述べる.

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