著者
由井 正臣
出版者
駒澤大学
雑誌
駒澤史学 (ISSN:04506928)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.1-19, 1970-04

一九一一年、陸軍提出の二箇師団増設要求が、第二次西園寺内閣倒壊の直接的原因となったのは周知の通りである。その後も増師問題は政局の底流に存在し、一九一一年から一九一三年にいたるわずか一年半の間に、第三次桂、第一次山本権兵衛、第一次大隈の各内閣交代の原因の一つをなした。このことは、一般的には、日露戦争以後の日本の財政危機と軍備拡張計画の矛盾として把えられるものであるが、なお政治的には、軍部の政治勢力として相対的独自化とその具体的活動に原因を求めなければならないであろう。小論は、日露戦後の軍部の政治的地位の変化を背景に、二箇師団増設要求をめぐる軍部の意図と問題の政治的経過を明らかにすることをさしあたっての目的とするものである。

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