著者
丸田 恵美子 紙谷 智彦
出版者
森林立地学会
雑誌
森林立地 (ISSN:03888673)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.43-52, 1996-09-15
被引用文献数
5

太平洋型ブナ林とみなされる神奈川・山梨県境の三国山において,豊作年の翌年の1994年に,ブナの実生の発生・定着過程を追跡調査した。実生の枯死要因としては,乾燥死・動物害・虫害・菌害が認められた。発芽時前後の動物による堅果の持ち去りや,発芽直後の動物による被食や根の乾燥死も,それぞれかなりの割合で発生し,太平洋型気候のもとで積雪の少ないことが,実生の生存に対して不利に働くことを示した。しかし一年目の生育終了時の生存実生密度は,順調な更新を行っている日本海型ブナ林に比して同等か,それ以上であって,ブナ林の更新に対して,その最初の段階である健全堅果の供給と当年生実生の発生・定着過程において,1994年のコホートについては主要な阻害要因はないと結論づけた。三国山の調査地はブナを含めた立木密度が3195本/haと高く,林床の相対照度が平均2.2%と暗いことから,2年目以降の実生の生育が順調に行えない可能性がある。

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こんな論文どうですか? 太平洋型ブナ林におけるブナ実生の定着過程I : 三国山における当年生実生の消長,1996 http://ci.nii.ac.jp/naid/110007088819 太平洋型ブナ林とみなされる神奈川・山梨県境の三国山において,豊作年の翌年の1994年に,ブ

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