著者
武田 宏
出版者
森林立地学会
雑誌
森林立地 (ISSN:03888673)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.125-129, 2005-12-25
参考文献数
14
被引用文献数
1

耕作放棄水田における林地化の試みとして,1994年春に新潟県内の3調査地にハンノキとスギを植栽し,2001年まで経過を調査した。ハンノキは2調査地で1999年と2000年までに全て死亡し,残りの1調査地でも2001年には13%に低下していた。一方,スギは最低でも55%の生残率だった。ハンノキの死亡要因では,コウモリガ被害,誤伐,雪害が多かったが,その比率は3調査地で異なっていた。一方,スギの死亡要因では3調査地とも誤伐が最も多いことで共通していた。いずれの調査地もハンノキよりスギの成長が上回っていた。ハンノキは過湿な土壌環境で成育が期待できたが,耕作放棄後の時間が経過すると草本植物の繁茂によりコウモリガ被害が増加するため,草本植物が繁茂しないうちに植栽する必要があると考えられた。

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