- 著者
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角田 英
岡江 久義
- 出版者
- 京都府立医科大学
- 雑誌
- 京都府立医科大学雑誌 (ISSN:00236012)
- 巻号頁・発行日
- vol.11, no.1, pp.565-575, 1934
急性化膿性腹膜炎ノ制腐的處置ニ對シ,種々ノ化學的製劑或ハわくちん乃至こくちげん等ヲ以テセントスル試ミハ從来數多ノ學者,臨床家ニヨリナサレタルトコロナルモ未ダ適確且有効ナルモノアルヲ識ラズ.茲ニ於テ余等ハ大腸菌ニ對シ一定ノ制腐力ヲ有シ且其ノ腹腔内注入ガ腸管運動ヲ亢進セシムルヲ確認セル數種あにりん色素ヲ,正常並ニ實驗的急性腹膜炎ヲ惹起セル家兎ノ靜脈内竝ニ膜腔内ニ注入シ,或ハ靜脈内注入ト高張食鹽水(20%)浣腸ヲ併用シ其レガ腸管運動ニ及ボス影響ヲ檢シ,更ニ臨床的檢察ヲ遂ゲ次ノ結論ニ到達セリ.1)びすまるくぶらうん並ニゑおぢんハ正常家兎腸管運動ヲ一過性ニ亢進セシムルモ腹膜炎性麻痺腸管ニ對スル運動亢進作用ハ極メテ僅微ナリ.2)さふらにんハ大腸菌ニ對スル殺菌力最モ強ク且其ノ正常並ニ腹膜炎性麻痺腸管ニ對スル運動亢進作用ハ稍々認ムベキモノアリト雖モ同時ニ呼吸並ニ心臟機能障害ヲ惹起ス.3)とるいぢんぶらうハ大腸菌ニ對スル殺菌力強ク,且正常並ニ腹膜炎性麻痺腸管運動ヲ高度ニ且長期ニ亘リ亢進セシム.4)とるいぢんぶらうハ之ヲ高張食鹽水(20%)浣腸ト併用スル時ハ腹膜災性麻痺腸管ニ對スル運動亢進作用一層著明ナリ,5)臨床的ニ急性化膿腹膜災患者ノ靜脈内ニ0.5%とるいぢんぶらうりんげる氏液10.0乃至15.0cc.ヲ注入スルニ何等ノ副作用ナク經過良好ナルヲ認メタリ.6)以上ノ實瞼的並ニ臨床的所見ヲ總合スルニとるいぢんぶらうハ急性化膿性腹膜災ノ局所的並ニ全身的制腐處置ニ對シ適確且効果的ナルモノト認ム.