著者
西野 亮一 井尻 襄次郎 田中 敬二
出版者
京都府立医科大学
雑誌
京都府立医科大学雑誌 (ISSN:00236012)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.579-587, 1940

肥胖症ノ療法ハ從來種々アリ.或ハ下劑,或ハ減食,或ハ甲状腺劑ノ使用ニヨル.然レドモ食餌ニ一種ノ憧ヲ有スル吾人ニ對シ,長期ニ亙ル減食ハ是ヲ強フル事困難ナリ.又,甲状腺劑ヲ使用セバ,屡々心悸亢進,不眠等ノ神經症状ヲ呈スルニ到ル,コレヲ以テ肥胖症ノ療法ハ今日ノ問題トナレリ.余等ハ數年來,新陳代謝亢進劑α-Dinitrophenolノ單用ニヨリ,或ハ時ニ甲状腺劑ヲ併用シテ肥胖症ヲ處置セリ.而シテ一定ノ注意ノ下ニ於テハ,何ラノ忌ムベキ副作用ナク,自由食餌ノ下ニ相當ノ効果ヲ擧ゲ得タリ.

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