著者
千田 富義
出版者
東北文化学園大学
雑誌
リハビリテーション科学 : 東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科紀要 (ISSN:13497197)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.3-14, 2009-03-31

初期段階のアルツハイマー型認知症で注目されている上肢運動機能障害の特徴,発現機序に関する仮説,訓練効果について概説した.この上肢運動機能障害は運動障害を引き起こす神経症状がないこにも関わらず出現し,聞き手優位性の焼失などの特徴が報告されている.また,課題の難易度が高いときに上肢運動機能障害が鮮明になる.出現機序についての詳細は不明であるが,短期視覚記憶などの比較要素的な認知機能の障害が関与するとの立場と,注意機構など全般的な機能を司る機構の障害で発現するとの立場がある.上肢運動機能障害に対する練習・訓練の研究では,常に一定の条件で繰り返す練習で運動学習の保持,転移が出現することが報告されている.種々の条件で行う練習で学習効果が大きい健常者と大きく異なる点である.アルツハイマー型認知症のスキーマ形成障害によると推測されている.

言及状況

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「認知症高齢者の外乱時に対する姿勢制御について」 (PDFダウンロード可) http://ci.nii.ac.jp/naid/110006249418 「アルツハイマー型認知症の上肢運動機能障害」 http://ci.nii.ac.jp/naid/110007230440 「認知症の易転倒性に関する、骨・筋・運動機能及び脳画像の縦断解析研究」 http://kaken.nii.a ...

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