著者
湯澤 直美
出版者
一般社団法人日本教育学会
雑誌
日本教育学会大會研究発表要項
巻号頁・発行日
vol.68, pp.76-77, 2009-08-12

近年、日本においても「子どもの貧困」が社会問題として注目されるようになってきた。しかしながら、「子どもの貧困」研究は緒についたばかりともいえ、子ども期に貧困であることの持続的な影響や貧困の世代的再生産を生み出す構造についての解明、貧困防御のための実践の創造と共有化は急務である。本報告では、社会福祉の領域をフィールドとしながら、とりわけ家族という社会制度に焦点をあて、家族を単位として保護者・子ども双方に要請される自助努力の現代的態様について、子どもの貧困をめぐる日本的土壌という観点から考察する。その際、特定の世帯類型で貧困率が高い点に注目し、ワーキング・プアの典型ともいえる母子世帯の現況をとりあげる。そのうえで、教育と福祉をつなぐ視角から実践的な課題を提起することを目的とする。

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