著者
黒沼 精一
出版者
佛教大学
雑誌
佛教大學大學院紀要 (ISSN:13442422)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.175-188, 2007-03-01

本稿は、自然が美しい北海道において展開されている道州制議論と市町村広域合併議論の展開に関連づけ、北海道の特殊性を活かしたウェルフェアミックスの可能性を模索するものである。英国保守党政権における行財政改革、NPMと民営化政策を比較検討しながら、農村社会に必要な道州制議論における北海道型ウェルフェアミックスの提案を総括したものであり、コンサーバティズムの潮流を再認識していくものである。本稿の構成は、1ではウェルフェアミックス理論の形成過程から近年に至るまでの経緯を分析し、2では北海道における道州制議論と市町村広域合併議論の展開を把握するために地方政府と中央政府の主張を分析し、3では英国保守党政権における行財政改革からニューレイバー労働党改革路線への歴史的変遷、民営化政策、財政の健全化について分析し、北海道の農村社会に必要と思われる政策の<coreからsolution>の比較と関連性を述べた。4では農村社会に必要な道州制議論における北海道型ウェルフェアミックスの提案と北海道型リベラルアーツを総括するものである。本稿の特徴は、第一に北海道におけるインフォーマルセクターの活動を補完的に支援する福祉ビジネスを非営利セクターと営利セクターに類型化し、<コアコンピタンス(特殊性や長所)を伸ばして、社会貢献(地域貢献・国際貢献)に結びつけいていく地域振興>を<coreからsolution>として捉えていくところにある。第二に本来的なリベラルアーツ(自由七科)を北海道型リベラルアーツにアレンジして、道州制議論における北海道型ウェルフェアミックスに必要な七つの課題について総括するところにあり、北海道あるいは北海道の農村社会の発展に寄与するものである。

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