著者
品田 宜輝 木村 建一 桂木 宏昌 宋 城基
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.153, pp.45-56, 2009-12-05

北九州市の大学校舎建築に導入されたソーラーチムニーと地中ピットとを組み合わせた自然換気システムを対象とし,運用下におけるその性能を把握することを目的として開校後4年間に渡って実施した実測調査の結果を述べる.本報では実測対象建物の自然換気システムと補助空調システムの概要,本システムの運用状況,自然換気作用時の給排気風量の実測結果について報告する.自然換気が作用する時間は開校3年目まで増え続け,2年目から4年目の自然換気作用時間は冷房期間の33〜61%を占めた.自然換気作用時間の80%程度が夜間であった.自然換気作用時の給排気風量は,年間の全時間平均で,地中ピットからの給気量は6,000m^3/h程度,ソーラーチムニーからの排気量は4,000m^3/h程度であり,4年間を通してほぼ安定していた.この差は主に排気ファンによる影響であり,ソーラーチムニーからの排気量は風量の多い便所排気ファンの運転停止に左右されていた.給排気風量は,中間期に増加し,夏期に減少する傾向が見られた.

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