著者
吉井 和佳 後藤 真孝
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.2, pp.1-10, 2011-07-20

本稿では,和音系列に対する統計的言語モデルとして,ノンパラメトリックベイズ理論に基づく n グラムモデルについて述べる.従来の経験的なスムージングに基づく n グラムモデルには,主に三つの問題,すなわち,理論的な裏付けがなく改善が困難であること,n の値を一意に指定しなければならないこと,考慮する和音の種類 (語彙) は恣意的に決めざるを得ないこと,が存在した.これらの問題を解決するため,我々は語彙フリー無限グラムモデルを提案する.このモデルは,あらゆる音の組合せを和音として許容するため語彙が不要で,和音系列中の各和音が異なるコンテキスト長 (理論上は無限でもよい) を持つことを許容する.ある和音系列が与えられた上で,次の和音を予測するときには,n の値を一意に決めることなくあらゆる可能性を考慮できる.また,これまで観測したことがない和音が出現したとしても,その和音のゼログラム確率 (構成音の同時出現確率) をこれまで観測してきた和音の構成音に基づいて計算することで,適切に n グラム確率を推定することができる.実験の結果,従来の n グラムモデルよりも低いパープレキシティを達成することが分かった.This paper presents a novel nonparametric Bayesian n-gram model as a statistical language model for symbolic chord sequences. Standard n-gram models based on heuristic smoothing have three fundamental problems―that they have no theoretical foundation, that the value of n is fixed uniquely, and that a vocabulary of chord types is defined in an arbitrary way. To solve these problems, we propose a vocabulary-free infinity-gram model. It accepts any combinations of notes as chord types and allows each chord appearing in a sequence to have an unbounded and variable-length context. Our experiments showed that the perplexity obtained by the proposed model is significantly lower than that obtained by the state-of-the-art models.

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| CiNii 論文 -  和音進行解析のための語彙フリー無限グラムモデル http://t.co/aIDhdnZQTH

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