著者
西口 真也 三上 訓顯
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.85-94, 2011-05-31

本稿は、社会背景の変化に伴い、ブランドに対する評価が変わってきているのではないかという仮説に基づいている。そこで、ブランドを取り巻く状況の変化が最もよく反映されてきたと思われる「ゆとり世代」に注目し、彼らのブランド評価について調査を実施した。本稿では、特に企業ブランドを取り上げ、42の企業ブランドの統合力について、ゆとり世代の20代の大学生を対象とした質問票調査を実施した。その結果を用いて、加重得点順位を導出し、各世代を対象とした「日経企業イメージ調査2009年調査」の中の企業認知度順位との比較、検討を試みた。この結果から、ゆとり世代で支持の高い企業ブランド群を明らかにできたことから、それらを「ニューエイジで支持の高い企業ブランド」と定義し、これらの企業ブランド群のデザイン開発過程の特徴、ゆとり世代と他の世代との構造的な関係性や特徴に着目していく必要性を指摘している。

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