著者
甲斐 昌一
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.97, no.6, pp.1243-1272, 2012-03

非平衡開放系はエネルギーを散逸しつつ、しばしば秩序だった構造やリズムを形成する。パターン形成の物理はそれらを対象として行う研究の総称で、自己組織化の物理あるいは複雑系の物理とも呼ばれてきた。それは非線形によって生み出される現象で、化学、生物学、工学、経済学、心理学など自然・社会現象のいたるところで普遍に観測される。この魅惑的な非線形現象には、形成機構の解明、期待される新しい構造、分岐現象、階層の縮約、階層間にまたがる非線形性、パターン出現に伴う新機能の解明、雑音の役割など多くの問題が横たわっている。ここではできるかぎり分かりやすい表現で、私が関わってきた様々なパターン形成の物理を紹介する。

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こんな論文どうですか? パターン形成の物理(甲斐 昌一),2012 https://t.co/8XvL0PlBjJ 非平衡開放系はエネルギーを散逸しつつ、しばしば秩序だった構造やリズムを形成する。パターン形成の物理はそれらを対象と…

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