著者
森 章 樋口 良彦 武田 博清
出版者
応用森林学会
雑誌
森林応用研究 (ISSN:13429493)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.13-17, 2000-09-25
被引用文献数
6

DGPS(ディファレンシャルGPS)の林内での測位精度を調べ,様々な林分間で比較した。DGPSにより測位した点は,SA(選択利用性)の影響のもとで,測位の平均点から1m円内にほとんどの点が含まれた。また,測位誤差は,樹幹に近づくほど大きくなった。測位誤差の林分による違いは,落葉済みの落葉広葉樹林内で,林外と誤差に有意な差はなかったが,常緑樹林内は,広葉樹林,針葉樹林ともに,林外より誤差が有意に大きくなった。これらの結果,林内でDGPSを使用する際には,できるだけ樹幹よりDGPS受信機を離して測位を行うこと,落葉広葉樹のある林分では落葉済みの冬季に測位を行うこと,常緑樹林内では上層の開空度の高い位置で測位を行うことで精度が高まると考えられた。さらに,実際の森林でのDGPSの使用方法として,林内の毎木調査の例を挙げると,できるだけ樹幹より離れており,かつ,上層の開けた位置にDGPS受信機を設置し,そこからレーザーレンジファインダーなどでオフセットして,測位を行うことで,精度が高まると考えられた。

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