著者
張 起權
出版者
大手前大学
雑誌
大手前大学論集 (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
no.14, pp.185-201, 2013

カーニバルの世界では、豊作や多産を祈願する象徴的な手法として、葛藤や争いが盛り込まれ、日常の秩序が転倒されるような芝居がみられる。まさにミハイル・パフチンの説く「君臨と退出の逆転構造」であるが、このような逆転や転倒は韓国の伝統喜劇「タルチュム」の中にも随所に盛り込まれており、全体の筋立ての中で非常に重要な役割を果たしている。また、夏と冬、生と死のような対立構造が譜誰的に描かれ、その象徴的な戦いが繰り広げられている。パフチンの説くカーニバル的世界の特徴を踏まえつつ、タルチュムの中に盛り込まれている「日常の秩序に対する転倒」や「新旧交代」の様相、またそのような逆転構造を際立たせている、譜誰的な「グロテスク・リアリズム」の世界に誘う。

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CiNii 論文 -  夏と冬、生と死の戦い : 伝統喜劇にみる新旧交代とグロテスク・リアリズムの世界 https://t.co/yr48CMfiKS #CiNii

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