著者
本庄 良文 本庄 良文
出版者
佛教大学
雑誌
佛教大学法然仏教学研究センター紀要 (ISSN:21888442)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.17-24, 2015-03-25

法然の直弟子である隆寛の撰述にかかる『知恩講私記』は、法然滅後、月命日ごとに専修念仏の徒が、東山大谷の法然廟所において報恩のために修した法会の講式である。その中で作者は、法然の遺徳を、(1)諸宗通達徳、(2)本願興行徳、(3)専修正行徳、(4)決定往生徳、(5)滅後利物徳の五項目に亘って讃歎しているため、おのずからそれが現存最古の法然伝ともなっている。現代語訳が発表されていない現状に鑑み、試訳を行って、将来の総合的な研究のための資料としたいと思う。けだし、本文校訂と内容理解とは相互補完的な関係にあり、一方を欠いて他方のある道理がないからである。

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