著者
高野 聡子
出版者
筑波大学心身障害学系
雑誌
心身障害学研究 (ISSN:02851318)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.99-108, 2005-03

1919(大正8)年に藤倉学園を創設した川田貞治郎は、藤倉学園創設以前の1916(大正5)~1918(大正7)年の約2年半、アメリカ合衆国でアメリカ精神薄弱施設における教育と保護の方法を習得した。彼は、H.H.ゴダードが研究部門長を務めるヴァインランド精神薄弱者施設において、ビネ知能検査の精神年齢とIQを用いた精神薄弱分類基準を習得し、それを「児童研究」に発表した。藤倉学園創設後、彼は、ビネ知能検査を実施し、精神年齢とIQを用いた精神薄弱分類基準を「教育的治療学」の体系に盛り込むこととなる。「教育的治療学」でのビネ知能検査の使用目的は、対象児の選定と精神薄弱の程度と分類であり、検査結果は、精神薄弱の知能の程度を把握する基準として用いられた。また、ビネ知能検査では把握できない知能、たとえば注意力と反応力などについては、教育的治療学の「心練」が使用された。

言及状況

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こんな論文どうですか? <原著>川田貞治朗の「教育的治療学」におけるビネ知能検査の導入と役割 : 大正期のアメリカ滞在から昭和前期の藤倉学園創設後を中心として(高野 聡子ほか),2005 http://id.CiNii.jp/DhdgM

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