著者
吉山 直樹 橋本 明浩
出版者
新潟県立看護大学
雑誌
看護研究交流センター年報
巻号頁・発行日
vol.17, pp.14-20, 2006-07

■背景: Fake Complianceの少ない情報共有化の手段(Ecological Momentary Communication Tool, EMCTと称することとした)として携帯電話を使用し, 2005年度は, EMCTを想定する携帯電話の機種による相手とのコミュニケーション可能性と,この機種と現行の動画撮影機能を有するデジタルカメラの画像品質の比較をおこなった.■方法:最新のブロードバンド(3G)対応機種による静止画・動画の通信による送付,リアルタイム画像送付機能(TVコール)に関して一定の通信プロトコルに従って実験をおこなった.画像品質の比較には,画素数,画像フォーマット等の条件を揃えて市販のコンパクトタイプのデジカメと比較した.■結果:厳しい通信環境ではないか,と危倶していたが,試用の結果は予想よりも良好であり,ブロードバンド対応の中継器の設置が着々と進んでいることが実感された.静止画の機能は充分であるが,動画機能は末だ極めて貧弱である.通信可能なフォーマットに限って評価してみると,さらに不満足な結果であった.■結論:ブロードバンド(3G)対応機種に期待したが画質的にはまだ不十分である.携帯電話をEMCTとして在宅ケアの現場で使用するには,地域を選び機能を限定して使用することが必要である.今後の展開には,携帯電話そのものの機能向上が本筋であるが,ホームページ利用による携帯用ネットサーバ利用によって解決可能と思われる.

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