著者
島田 守
出版者
奈良大学大学院
雑誌
奈良大学大学院研究年報 (ISSN:13420453)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.86-88, 2006-03

現在、私たちが日常で何気なく使っているガラスのコップ、実はおよそ2000年間もほとんど変わっていない技術で作られている。今でもガラス工房に行けば、職人が竿に息を吹きこんで、形も大きさも様々な作品を作っているところを見ることができる。しかし、これほど長い歴史の間使われてきているにもかかわらず、その起源や初期の技法、設備・道具の実態などはほとんど分かっていない。分かっているのは吹きガラスがあったというくらいのもので、ではそれが実際にどのようにして作られたのか、残念ながらそれを示す考古学的な発見はほとんどないのが現状である。完成された作品は世界中の多くの博物館や美術館で見ることができるが、それらを作った設備や道具、人間については知ることができない。

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