著者
布施谷 節子 柴田 優子 SETSUKO FUSEYA YUKO SHIBATA
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要 = The journal of Wayo Women's University (ISSN:18846351)
巻号頁・発行日
no.52, pp.141-151, 2012-03

ハイヒールの歩容の特徴を、裸足歩行との比較において明らかにすることを目的に、ハイヒール歩行に関する質問紙調査と2台のビデオカメラの撮影による歩行の三次元動作実験を行った。質問紙調査の対象者は本学女子学生176人、歩行動作実験の被験者は本学女子学生および女性職員45人で、調査及び実験は2008年7 月~ 9 月に行った。主な結果は以下のとおりである。 質問紙調査から、女子大学生は「膝を曲げて歩かない」、「背筋を伸ばす」、「真っ直ぐに歩く」などが美しい歩容だと意識していた。また、安全性や足の障害も問題視していた。 ハイヒール歩行では離床と同時に膝を上げ、足部を外に蹴り出すことなく、ほぼそのまま着地するということがわかった。ハイヒール歩行では裸足歩行のようないわゆるあおり歩行ができていないといえる。ハイヒール歩行の一歩は歩幅が狭く所要時間がやや長い傾向であった。ハイヒール歩行は裸足歩行より膝を高く上げているものの、踵を後に蹴り上げずに、靴を床面とほぼ平行に置きに行くような歩行をしていることがわかった。膝の動きを経時変化でみると、ハイヒール歩行では最高点に達するまでに膝を早く高く上げ、最高点以降は早く接地しており、接地による片足の支持時間が長いといえる。また、膝の軌跡のパターンは、ハイヒール歩行は裸足歩行に比べて画一的な傾向であった。各マークを結んでできる空間角度でみると、裸足歩行とハイヒール歩行の違いは腰と膝の曲がり具合に表れるということがわかった。

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CiNii 論文 -  ハイヒールの歩容に関する三次元的解析 https://t.co/xx0yETjFiC #CiNii

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