著者
Koikawa Kinuyo
出版者
近畿大学産業理工学部
雑誌
かやのもり : 近畿大学産業理工学部研究報告 : reports of School of Humanity-Oriented Science and Engineering, Kinki University (ISSN:13495801)
巻号頁・発行日
no.23, pp.32-40, 2015

[概要] 本稿は20世紀後半のアメリカで生きることの意味を, 言葉の力(特に1単語)に焦点を当てながら, デリーロの作品『アンダーワールド』(1997)を通して考察するものである. 主人公ニック・シェイの精神的な苦悩を通し, 平和に託した思いを論じる. 第1セクションでは, 電脳空間の人間への影響及びこの空間がパラノイアか否かという視点から論じる. 次のセクションでは, ヴァーチャルではない現実世界, 特に主人公のニック・シェイの経験を中心に読み解いていく. カザフスタンの原爆実験場の悲惨さを目の当たりにする等, アメリカ人としての苦闘, 寂寥感にさいなまされるニックを検証していく. 最後のセクションでは, 言葉の持つ力に揺るぎない信頼を寄せるデリーロがこの小説の終わりに記した「平和」についての考察を提示する.

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