著者
山田 雄二 Primbs James A. Yamada Yuji
出版者
朝倉書店
雑誌
ジャフィー・ジャーナル:金融工学と市場計量分析
巻号頁・発行日
no.11, pp.125-152, 2012-03

一般に,株式価格はランダムウォークに従い,将来の価格を予測することはできない.一方,同業同規模の企業の銘柄など,株式価格が一定の差(スプレッド) を維持しながら推移するような値動きが,市場において観測されることがある.このような株式価格における現象は,共和分性として特徴付けることができる.株式価格のペアが共和分する場合,スプレッドは平均回帰性をもつ.従って,一時的にスプレッドが平均を上回る(あるいは下回る) ような状況が生じても,いずれは平均的な水準に収束することが期待される.さらに,共和分ペアが複数存在すれば,これらを利用したポートフォリオ最適化問題を考えることができる.本論文では,このような共和分性をもつ株式価格のペアを抽出し,複数のスプレッドを利用して最適ポートフォリオを構築する手法について検討する.最適ポートフォリオについては,離散時間設定における条件付き平均・分散最適化問題, および,連続時間設定における動的最適化問題の2 つの問題設定の下で計算し,実データを用いてシミュレーションを行う.さらに,離散時間設定の最適ポートフォリオに対し,取引コストやパラメータ推定期間の影響について考察する.

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CiNii 論文 - 共和分性に基づく最適ペアトレード https://t.co/xjAVBXsHbu 株式価格が一定の差(スプレッド)を維持しながら推移するような現象は,共和分性として特徴付けられる. 共和分ペアが複数存在すれば,これらを利用したポートフォリオ最適化問題を考えることができる.

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