著者
大滝 世津子 Setsuko Otaki
雑誌
鎌倉女子大学紀要 = The journal of Kamakura Women's University (ISSN:09199780)
巻号頁・発行日
no.22, pp.13-22, 2015-03-31

本研究は幼児の性自認に関する諸理論に対し、 社会学的観点から批判的検討を加えることを目的とし、 有効性と限界を検討した。その結果、 以下の点が明らかになった。 (1)発達同一視理論、 ジェンダー発達理論、 パーソンズの社会化論は、 家庭内における大人-子どもという垂直軸を基本としており、 子ども同士のピアという水平軸が含まれていなかったという点に限界があった。(2)社会的学習理論、 認知発達理論、 ジェンダー・スキーマ理論、 言語的認知説は、 家庭外における大人や仲間の影響を指摘している点に有効性があるが、 幼稚園や保育所のような組織的集団の中で生じた集団力学の影響等については説明していない点に限界があった。

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